会社を辞めてフリーランスエンジニアになる前にやっておきたい12の準備〜退職手続き完全解説マニュアル

会社を辞めてフリーランスエンジニアになる前にやっておきたい12の準備〜退職手続き完全解説マニュアル

 会社に縛られない自由な働き方と、会社員時代に比べて多額の報酬を手にすることがことができる可能性があるフリーランスエンジニア。会社を辞める決心はついたものの、フリーランスエンジニアとしての活動を開始するにあたってどのような準備や手続きが必要なのか不安に思っている方も多いのではないでしょうか? そこで今回はこれからフリーランスエンジニアとしての活動を検討されている方のために、フリーランスエンジニアになるために必要な準備について解説していきたいと思います。

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退職前にやるべき準備(会社編)

退職前にやるべき準備(会社編)

 フリーランスエンジニアとして活動を開始することを決意したあと、はじめにやっておかなくてはならないのは現在勤めている会社に退職の意向を伝え、円満に会社を退職することです。ここでは会社を退職するまでにやるべきことについて解説していきます。

退職の意向を上長に伝える

 一番最初に、退職したいことを直属の上長に伝えます。退職の意思を伝えるのは、オフィス内のオープンスペースではなく、会議室などのクローズドスペースで行うのが良いでしょう。勤務している会社が全面的にテレワークが導入していてオフィスに出社することが難しい場合は、上長と2人きりのオンライン会議を入れる場合もあります。

 そこで、一身上の都合で会社を退職したいことや、希望する退職日を伝えます。退職希望日は、勤めている会社の就業規定に定められている申し出から退職までの期間はもちろん、現在担当している業務の引き継ぎ期間も考慮して1ヶ月〜2ヶ月前に伝えるのが一般的です。多くの場合、退職理由も聞かれると思いますのでなぜ退職したいのかについても準備しておきましょう。ただし「拘束時間が長い」「給与が少ない」などネガティブなものを理由にすると、改善を提案されて引き止められることもあるので、「キャリアアップを目指して独立したい」など前向きな理由を用意されたほうが良いと思われます。

退職日と最終出社日を確定する

 退職の意向を伝えた後は、勤務している会社のルールに従って退職日と最終出社日を確定させましょう。特に有給休暇が残っていて、退職前に有給休暇を消化したいと考えている場合は、業務の引き継ぎ期間と有給消化を開始する日の調整が必要となります。期間が短かすぎて十分な引き継ぎが行えないと、あなたの業務を引き継ぐ方や会社に迷惑をかけてしまうことになります。この時の対応が良くなかった場合、後々フリーランスエンジニアとして活動を開始した際にあなたの評判を落とすものに繋がるおそれもありますので、面倒くさがらずにしっかりと引き継ぎを行うことをおすすめします。

会社から貸与されていた備品を返却

 会社の指示にそって、会社から貸与されていた備品(パソコン、社員証、携帯電話、健康保険証、制服など)を返却します。特にパソコンは返却する前に業務で使用していたデータをすべて後任者に引き継いでいるかを確認するようにしましょう。

退職後に必要な書類の受け取り

 現在勤務先の会社から、退職後に必要となる書類を受け取ります。主な書類な下記の通りです。今回は、この中でもフリーランスエンジニアとして活動していく上で必要となる3つの書類についてご説明していきます。

▼フリーランスエンジニアとしての活動に欠かせない書類

  • 年金手帳
  • 源泉徴収票
  • 社会保険の資格喪失証明書

年金手帳

 国民年金に加入する際に必要となります。

 年金手帳は企業によっては入社時に必要部分のコピーを取って社員へ返却しているところもあります。企業に年金手帳を預けている場合に限り、返却してもらうようにしましょう。

・社会保険の資格喪失証明書

 国民健康保険に加入する場合に必要となります。こちらがないと国民健康保険に加入することができません。もし受け取っていない場合は、退職した会社に連絡を取り必ず受け取るようにしてください。

・源泉徴収票

 年度末に確定申告を行う際に必要となります。勤めていた会社の給与支払いタイミング(各月末締め翌月25日払いなど)によっては、最後の給与支払いが終わってから送付されてくることもあります。最後の給与の支払いがあってからしばらく経っても源泉徴収票がお手元に届いていない場合は、退職した会社に問い合わせてみてください。

▼その他の書類

  1. 離職票
  2. 雇用保険被保険者証
  3. 離職票

・離職票

 離職票はフリーランスエンジニアとして活動を開始する前に、失業保険の支給を受ける場合に必要となります。退職する企業によっては、離職票の発行をお願いしないと発行してくれない企業もありますので必要な場合は確認が必要です。

・雇用保険被保険者証

 フリーランスエンジニアとして活動を行う場合、雇用保険の適用から外れるため必要な書類ではありませんが、将来的にフリーランスエンジニアを辞めて会社員として就職する場合などに必要となりますので大切に保管しておいてください。

お世話になった方への挨拶回り

 在職中にお世話になった方への挨拶回りも欠かすことができません。
 会社の同僚や上司はもちろん、業務でお世話になったクライアントの方々にもぜひ感謝の気持ちを伝えると同時にフリーランスエンジニアとして活動を行うことを伝えましょう。うまくいけば、これまで自分が担当していた業務の一部もしくは全部を業務委託として受注できることもあります。

退職前にやるべき準備(事業準備編)

退職前にやるべき準備(事業準備編)

 続いて、フリーランスエンジニアとして活動を開始するのに必要な準備について説明していきます。こちらは退職する予定の会社とは関係のない準備となるため、主に自分の時間(土日・休日など)を使って行うことになります。

フリーランスエンジニア向けエージェントへの登録

 フリーランスエンジニアとしての活動を開始後、特に受注する案件の予定がない場合は、このブログを編集しているJoBeetなどに代表されるフリーランスエンジニア向けのエージェントへの登録をしておくことをおすすめします。事前に登録と相談を済ませてをおくことで、退職後のブランク期間を最小限に抑えることが可能になります。

クラウドソーシングサービスへの登録

 居住地の近くにフリーランスエンジニア向けのエージェントがない、もしくは多忙のためなかなかエージェントに相談しに行く時間が取れない場合は、クラウドソーシングサービスに登録しておくのも手です。エージェントサービスに比べると単価は安くなりがちですが、収入を得るための案件探しをスムーズに開始することができます。

クレジットカードを作っておく

 フリーランスエンジニアとして活動を開始すると安定した収入が望めなくなるため、新規にクレジットカードの作成を申し込んでも断られてしまうことがあります。もし、クレジットカードをお持ちではない場合は、各種ネットサービスを利用したり業務で必要な備品をネットショッピングで購入できるようにするために在職中にクレジットカードを1枚作っておくことをおすすめします。

退職後にやるべき準備

 会社を退職していよいよフリーランスエンジニアとしての活動を開始…といきたいところですが、今後の生活をより安心安全なものにするためにいくつかの手続きが必要です。最後に退職後にやるべきことを5つご紹介いたします。

国民健康保険と国民年金への加入

 病気や怪我をしてしまった時に病院にかかれるように国民健康保険への加入と、老後の資金確保のために国民年金の加入を行います。国民健康保険と国民年金への加入は住民票のある市区町村の役所で、退職後14日以内に行ってください。その際に必要となる書類は下記の5点です。

  • 年金手帳
  • 社会保険の資格喪失証明書
  • マイナンバーが確認できる書類
  • 本人確認ができる公的な身分証明書(運転免許証・パスポートなど)
  • 国民健康保険料金を納める口座のキャッシュカード

※加入手続きを行う市区町村によって必要書類が異なる場合があります。詳細は各市区町村のWebサイトをご確認ください。

・退職後14日以内に手続きをしなかった場合どうなるの?
退職後14日を経過してから国民健康保険や国民年金への加入手続きを行うことは可能ですが、その間に発生した医療費については特別な事情がある場合の除いて全額自己負担となる上、その間の保険料も支払う必要があります。どうしても難しい場合を除いて、退職後すぐに加入手続きを行うことをおすすめします。

開業届と青色申告承認申請の提出

 フリーランスエンジニアとして活動を開始したら、最寄りの税務署へ1ヶ月以内に開業届けを提出する必要があります。提出しなくても特に罰則はありませんが、大きな節税効果が期待できる青色申告を行うために開業届と青色申告承認申請の提出が必須となりますので、早めに対応するようにしましょう。なお、開業届と青色申告承認申請の手順については「開業届はいつ提出すればいいの?節税にも役立つフリーランスエンジニアのための開業届&青色申告承認申請ガイド」で詳しく解説していますのでご参照ください。

屋号名での銀行口座を作る

 開業届を提出したら、屋号名(フリーランスとしての事業名)での銀行口座を開設しましょう。個人の口座と事業用の口座を分けることで、現在展開している事業がどのくらいうまくいっているかを可視化できるだけでなく、毎年の確定申告をスムーズに進めることができるようになります。屋号名での銀行口座の作成方法については「フリーランスエンジニアは屋号名の銀行口座が必須? 口座開設のメリットと方法をわかりやすく解説!」をご覧ください。

クラウド型会計ソフトを契約する

 屋号名での銀行口座を開設したら、クラウド型会計ソフトを契約することをおすすめします。最近は銀行口座と連携できるタイプのクラウド型会計ソフトが増えてきており、面倒な日々の帳簿付けを簡単な質問に答えるだけで代行してくれるすぐれものです。また毎年度末の確定申告も申告書を自動生成してくれる上、e-Taxに直接提出してくれる機能などもありますので、面倒な経理処理は誰かにまかせて仕事に集中したいと考えているフリーランスエンジニアの方におすすめのサービスとなっています。

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まとめ

 今回は、会社員を辞めてフリーランスエンジニアとして活動を開始するあたって必要な準備や手続きについて解説してきました。いずれもフリーランスエンジニアとして順調なスタートを切るために必要な手続きばかりですので、必ず対応するようにしましょう。特に役所の手続きは重要なものが多いので、わからないことがある時は一人で悩まずに役所の窓口で相談してみるのも手です。

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