屋号とは? フリーランスエンジニアの活動がスムーズになる「屋号」について徹底解説!

屋号とは? フリーランスエンジニアの活動がスムーズになる「屋号」について徹底解説!

 フリーランスエンジニアとして活動を開始する際に意外と悩むことが多いのが「屋号」です。せっかくフリーランスエンジニアとして活動していくのだから、よい屋号をつけて多くの方に覚えてもらいたいと思う一方、どのようにして屋号を決めればよいか、そもそも屋号をつけるにはどうすれば良いのかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の記事では屋号に関する説明から、利用シーン、決め方に至るまで、屋号について徹底的に解説していきます。

平均単価約75万円のJoBeet。無料で高額案件の紹介してもらう

屋号とはなにか?

屋号とはなにか?

 屋号とは、フリーランスエンジニアに代表される個人事業主の方が、ご自身の事業についてつける名前のことで、法人で言うところの会社名(◯◯株式会社など)にあたるものです。通常はフリーランスエンジニアとしての活動を開始する際に近隣の税務署へ提出する「開業届」に記載することで登録するものですが、開業届を提出しなくても事業を開始することができるのでご存知ではない方もいらっしゃることでしょう。

 なお、国税庁のWebサイトによると「屋号」は以下のように定義されています。

屋号(又は雅号)とは、個人事業者の方が使用する商業上の名のことです。

よって、個人事業者の方においては、商店名等を入力してください

(参考)税務署に提出する個人事業の開業・廃業等届出書にも屋号欄があります。

※雅号とは、著述家、画家、書家、芸能関係者などが本名以外につける別名のことです。

https://www.keisan.nta.go.jp/h27yokuaru/sosa_setsumei/nyuryokuhoho/kyotsujiko/yago.html

屋号を使うシーン

 前項で屋号がフリーランスエンジニアとして活動するあなたの事業名を表すものであることがわかりました。ここからは実際にフリーランスエンジニアの方にとって屋号がどんなシーンで利用されるのかについて解説していきたいと思います。

▼屋号が利用されるシーン
1.名刺などに記載する
2.銀行口座を屋号名で開設する
3.契約書、見積書、納品書、領収書などに記載
4.確定申告書に記載する

ご紹介した屋号の利用シーンの中で、特にポイントとなるが2~4です。
屋号名で開設した銀行口座があれば、クライアントからの支払いや日々の営業活動で発生した費用を全て屋号単位でまとめることが可能になります。もちろん屋号名の銀行口座を使わずに、個人の銀行口座を使ってこれらの管理を行うこともできますが、私的使用と事業での使用を明確に切り分ける必要があります。この作業は非常に煩雑なもので、毎年度末に行う確定申告の際に大きな負担となりますので早めの切り替えをおすすめします。

 なお、屋号での銀行口座開設方法については「フリーランスエンジニアになったら屋号名で銀行口座開設は必須? 口座開設のメリットとその方法をわかりやすく解説!」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

屋号の決め方

屋号の決め方

 屋号を決めるにあたって、使用できないワードを除き自分の好きな屋号を名乗ることができます。また屋号はあとから変更することも可能です。とはいえ、コロコロと屋号を変えていると取引先から信頼を失うことにも繋がりかねませんので、あなたの事業を表すわかりやすい名前をつけるのが良いでしょう。

屋号に使えないワード

1.法人を表すワード
「会社」や「銀行」など法人を表すワードは屋号に使用することはできません。これは対外的に見たときに、あなたが個人として展開している事業が、あたかに法人が展開している事業であると誤解されるおそれがあるためです。代表的な法人を表すワードとして、以下のようなものがあります。
・会社関連:株式会社、合同会社、会社など
・法人関連:法人、財団法人、一般社団法人など
・金融関連:銀行、信用金庫、保険など

2.商標登録されているワード
屋号には日本国内で登録済みの商標(ブランド名)を使用することができません。一方で商号については、商号と本店住所(本社のある住所)が同一でない限り使用することができますが、不正競争防止法に基づき使用差し止めの請求を受けることがありますのでなるべく避けた方が良いでしょう。なお商号は「国税庁法人番号公表サイト」で、商標は「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」で調べることができるので、屋号を考えたら事前にチェックしておきましょう。

▼主な商標の例
Windows、任天堂 / Nintendo、ニコニコ動画
▼主な商号の例
日本マイクロソフト株式会社、任天堂株式会社、株式会社ドワンゴ

良い屋号の例

 それでは「良い屋号」とはどんなものなのでしょうか? 一般的には下記3つの条件を満たす屋号が良いとされています。

1.事業の内容がわかりやすい
お客様が屋号を聞いた時に、あなたがどんな事業を展開しているかわかるものが良いとされています。たとえばシステム開発の事業を展開しているなら「◯◯システム開発」、デザイン業務を請け負う事業なら「◯◯デザイン事務所」となります。お店を運営しているなら、店舗名をそのまま屋号として用いる場合もあります。またあなたがコミュニティなどで名乗っているハンドルネームやペンネームに一定の知名度があれば、それを屋号にするのも良いでしょう。

2.お客様が読み書きしやすい
あなたの屋号は、あなただけが使うのではなく、お客様があなたに連絡をする時や社内で仕事の発注先について検討する時などにも使われます。個性的な屋号で強い印象を残そうとするあまりに、そもそもお客様に屋号を覚えていただけなかった…ということがないよう、読み書きしやすいものにしておくのもポイントです。

3.インターネット上での検索性を意識する
ご自身の事業をインターネット上で展開することを考えている場合は、検索エンジンで検索されやすい屋号を意識することも大切です。たとえばご自身で考えた屋号が国内の超大手企業に似ている場合は、検索エンジンで屋号名を検索されたとしてもまず上位に表示されることはありません。またご承知の通り、希望するドメインが取得できるかどうかは早い者勝ちなので、屋号を端的に表すドメインが取得できるかどうかも事前に見ておきたいポイントとなります。

屋号に関するよくある質問

屋号に関するよくある質問

1.屋号は本名をそのまま使っても問題ありませんか?
はい、問題ありません。

2.屋号に使える文字にはどんなものがありますか?
漢字、平仮名、カタカナのほかに数字やアルファベットも使用することができます。 

3.屋号は変更することは可能ですか?
可能です。確定申告書に変更後の屋号の記載するだけで変更することができます。
ただし変更した後は、お客様に請求書などの宛名が変わることをお伝えしておかないと屋号と各種書類の宛名が一致しなくなるので速やかにお伝えするようにしましょう。

まとめ

 フリーランスエンジニアとして活動していく上で屋号は必ずしも必要なものではありませんが、屋号を登録しておくと、屋号名で銀行口座を持つことができるようになるので個人の口座を使うよりも会計上の処理が少し楽になるなどのメリットがあります。また屋号が記載された名刺を持つことで「自分の事業として頑張っていくんだ」という気持ちが芽生えやすくなるのもメリットといえるかもしれません。

平均単価約75万円のJoBeet。無料で高額案件の紹介してもらう

この記事をシェアする