フリーランスエンジニアの月初に欠かせない仕事を言えば請求書の発行ではないでしょうか? 特に規模の大きい企業から案件を受注していると「請求書原本は第◯営業日までに必着」などと設定されていることが多く、月が締まったらすぐに請求書の準備をしなくてはならないことも少なくありません。そんな中、2021年10月1日より郵政法が改正され、各種郵便が配達される日数が従来よりも少なくなるなどの変更が行われるというニュースを耳にしました。まだ紙で請求書を提出されているフリーランスエンジニアをはじめとする個人事業主の方は(月初の数日間がどの曜日になるか次第ですが)、この記事を参考にクライアントへの請求書の到着が遅れないように注意してください。
この他、請求書関連で話題になっているものに2023年10月から開始される「インボイス制度」があります。インボイス制度については「フリーランスエンジニアなら必ず知っておきたいインボイス制度をわかりやすく解説。」で詳しくご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
もくじ
2021年10月1日からの郵政法の改正ポイントは?

2021年10月1日に改正され、翌日(10月2日)から施行される改正郵政法の変更点は、大きく分類すると下記の4点となります。
- 普通郵便とゆうメール*の土曜日配達の休止
- 配達日数の繰り下げ
- 速達郵便料金の引き下げ
- 指定日配達郵便料金区分の変更
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このうち、フリーランスエンジニアをはじめとすると個人事業主の方が大きな影響を受けるおそれがあるのが「普通郵便とゆうメールの土曜日配達の休止」と「配達日数の繰り下げ」です。まずはこの2つについて詳細を見ていくことにしましょう。
フリーランスエンジニアに影響の大きい変更点

普通郵便とゆうメールの土曜日配達の休止
2021年10月2日より、普通郵便とゆうメールの土曜日配達が休止となります。これまでは配達休止日は日曜日だけでしたが、これに土曜日も加わることになるため週末に投函した郵便物の到着が全体的に遅くなります。
配達日数の繰り下げ
従来は同一市区町村内や近隣に差し出す郵便物はだいたい17時までに投函すれば翌日に到着するのが一般的でしたが、10月2日以降は到着日が翌々日になります。これに土曜日の配達停止が加わることで、具体的な投函タイミングと標準的な配達日がどのように変化するのかを表で確認していきます。
▼2021年9月までだいたい17時頃までに投函で翌日配達の地域
引受日 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | |
配達日 | 従来 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 月曜日 | 月曜日 |
10月~ | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 月曜日 | 月曜日* | 火曜日 | 火曜日* |
▼2021年9月までだいたい17時頃までに投函で翌々日配達の地域
引受日 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | |
配達日 | 従来 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 月曜日 | 月曜日 | 月曜日 |
10月~ | 木曜日 | 金曜日 | 月曜日 | 月曜日* | 火曜日 | 火曜日* | 水曜日 |
*2021 年 10 月から繰り下げます。なお、その他の曜日は、2022 年 1 月以降、段階的に繰り下げていきます。
一言でいえば、従来より平日は1~2日遅れ、週末は1~3日遅れになります。請求書などを指定の期日までにクライアントの手元に届けるためには、投函するタイミングを最低でも1日、特に土曜日も営業日に設定しているクライアントと取引している場合は2日早くしないと従来通りのスケジュールで届けることができなくなってしまいます。
速達などはいままで通り土日休日も配達してくれる
ゆうパック、ゆうパケット、クリックポスト、レターパックプラス、レターパックライト、速達、レタックス、書留、簡易書留は土日休日を含めて従来通りの配達を行います。差し出しから到着までの日数も変化はありません。
その他の変更点

速達郵便料金の引き下げ
速達料金が従来より30円~60円ほど安くなります。頻繁に速達を使っていた方には嬉しい改正となります。
▼速達料金の前後比較
重量 | 2021年9月まで | 2021年10月以降 | 値下げ額 |
250gまで | 290円 | 260円 | 30円 |
1kgまで | 390円 | 350円 | 40円 |
4kgまで | 660円 | 600円 | 60円 |
配達日指定郵便料金区分の変更
土曜日の配達が休止になったことで、配達日指定郵便で土曜日を配達日に指定する場合の料金が変更になります。
指定日 | 2021年9月まで | 2021年10月以降 |
月~金曜日 | 32円 | 32円 |
土曜日 | 32円 | 210円 |
日曜日・休日 | 210円 | 210円 |
まとめ
今回は2021年10月1日に改正された郵政法についてご説明してきました。紙の書類をやりとりする習慣のあるクライアントと取引をしているフリーランスエンジニアをはじめとするとる個人事業主の方にとっては、従来よりも早く請求書を発行して投函しなくてはならなくなるため月初の負担が大きくなりそうです。改正直後ならば多少の請求書の到着遅れを容認してくれることもあるかもしれませんが、毎月の指定日に請求書の到着遅れが発生しているようだと最終的にクライアントからの信頼を失う原因にもなりかねません。まずは、郵政法改正により郵便物が届くスケジュールがどのように変更になったのかを把握して、クライアントへ正確に請求書を届けられるよう余裕を持って準備をすることをおすすめします。