フリーランスエンジニアのふるさと納税を解説。どうせ納税するならお得に納税しよう!

フリーランスエンジニアのふるさと納税を解説。どうせ納税するならお得に納税しよう!

 2008年に開始されたふるさと納税。自分が住んでいる以外の自治体を応援することを目的に開始された制度で、当初は19万人弱の利用者からはじまりました。年々利用者は増加し続けており、2021年には500万人を超える方が利用しています。ふるさと納税は、本来自分が住んでいる自治体に納めるべき住民税や所得税の一部をふるさと納税を利用してほかの自治体に納めることで、納めた先の自治体から返礼品と呼ばれる商品をもらうことができる非常にお得な制度です。今回は、フリーランスエンジニアの方がふるさと納税を利用するために知っておきたい知識や実際の手続きについて解説していきます。

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ふるさと納税のメリット

ふるさと納税のメリット

住民税と所得税の控除が受けられる

 ふるさと納税でどこかの地方自治体に2,000円以上の納税を行うと、納税した金額に応じて住民税と所得税の控除が受けられます。控除を受けられる金額に上限はありますが、よほど高収入の方ではない限り納税した金額の大部分が住民税と所得税から控除されます。

返礼品がもらえる

 ふるさと納税を利用すると、税金を納めた地方自治体から返礼品として、その自治体ゆかりの食品や特産品などを受け取ることができます。例えば、北海道紋別市ではオホーツク産のホタテ貝や、本ズワイカニのしゃぶしゃぶセットなど豪華な返礼品が用意されてます。返礼品はふるさと納税を取り扱うサイトなどで選択することができますので、特に応援したい自治体がないという方は、自分が欲しい返礼品で寄付を行う自治体を選んでも良いでしょう。

ふるさと納税の注意点

ふるさと納税の注意点

控除されるのは「来年の住民税」と「今年の所得税」

 前年1月1日〜12月31日までに間にふるさと納税を利用すると、寄付した金額が全額控除の範囲内であれば「寄付した分 ー (自己負担分)2,000円分」に相当する金額の住民税と所得税が来年の住民税と今年の所得税から差し引かれます。
 例えば、東京都新宿区に住んでいて所得税率が20%の方が2021年12月に「北海道紋別市」へ15,000円のふるさと納税(=北海道紋別市に寄付)を行ったとします。寄付した15,000円から自己負担額の2,000円引いた13,000円の内、来年の住民税から10,400円、年度末に確定申告で納める2021年分の所得税から2,600円が差し引かれることになります。

税控除額の上限がある

 前項でふるさと納税で寄付した金額が「来年の住民税」と「今年の所得税」から控除されるとご説明しましたが、控除可能な金額には上限が設けられています。控除できる上限金額は、ふるさと納税を利用する方の年収や家族構成、その他控除を受ける金額によって変わります。税控除額の詳細な算出方法については「3.1.ステップ1:利用可能な税金の控除額について調べる」で解説していますのでご参照ください。 

いま住んでいる地方自治体に寄付する場合、返礼品はもらえない

 いま住んでいる自治体にふるさと納税を行うことは可能ですが、返礼品を受け取ることはできません。もともと納めるべき税金をふるさと納税の形に変えて納税することになる上、自己負担金の2,000円もかかってしまいます。一方、自分が住んでいる「都道府県」や「都道府県の他の市区町村」に対しては、ふるさと納税を行って返礼品を受け取ることが可能です。気になる返礼品がある場合は、チェックしてみてはいかがでしょうか?

フリーランスエンジニアは「ワンストップ特例制度」は使えない

 2015年にサラリーマンなどの給与所得者はふるさと納税を利用する際に、確定申告が不要な「ワンストップ特例制度」が施行され、ふるさと納税の利用者が一気に増加しました。しかしこの制度を利用するには、ふるさと納税以外に確定申告が必要な事案がないことが条件となっており、残念ながらフリーランスエンジニアの方は利用することができません。

ふるさと納税の利用方法

ふるさと納税の利用方法

ステップ1:利用可能な税金の控除額について調べる

 控除対象となるふるさと税金の金額上限を調べるために、下記の書類を用意します。

  • 前年の確定申告書の控え
  • 住民税課税決定通知書(毎年6月頃に送付されてきます)

これらの書類に記載されている「個人住民税所得割額」と「所得税率」を使い、控除上限額は下記の式で計算することが可能です。

控除上限額= [ (個人住民税所得割額) × 20% ÷ { 90% – ( 所得税率 × 1.021 ) } ] + 2,000

とはいえ、計算するのが若干面倒なため、実際の計算はふるさと納税の返礼品を取り扱っているサイトで提供されている控除上限額を計算できるシミュレーターを使うのがおすすめです。

→参考リンク:控除上限額計算シミュレーター
ふるさと本舗:寄付可能額を調べる(個人事業主版)

ステップ2:寄付を行い、好きな返礼品を選ぶ

 ふるさと納税のサイトに行き、納税する自治体を決め、ステップ1で調べた控除上限額の範囲内で好きな返礼品を選びます。同じ年内に複数回ふるさと納税を行うこともできますが、自治体によっては返礼品を受け取ることができる回数に上限を設けている場合もありますので、事前にふるさと納税のサイトで確認を行うようにしてください。
 また控除上限額を超えて寄付を行うことも可能ですが、上限額を超えた金額は控除対象とならず全額自己負担となりますので注意してください。

→参考リンク:主なふるさと納税サイト
ふるさとチョイス
さとふる
楽天ふるさと納税

ステップ3:寄付金受領証明書を受領する

 ふるさと納税を行うと、自治体から返礼品とは別に「寄付金受領証明書」が送られてきます。この書類は、あなたがふるさと納税を利用して寄付を行ったことを証明するものなので、確定申告を行うまで大切に保管しておきましょう。なお、寄付金受領証明書の発送タイミングは自治体によって異なります。各自治体の寄付金受領証明書発送目安については下記リンクをご覧ください。

→参考リンク:
さとふる:寄付金受領証明書の発送目安について

ステップ4:確定申告時に寄付額を記入する

 毎年度末に行う確定申告書に、ふるさと納税で自治体に寄付をした金額を記入します。ここで注意したいのが、書類によって記入する寄付額が異なるという点です。今回は青色申告を行う方を例に解説していきます。
 所得税控除を受けるためには「申告書B」の第一表の寄付控除に欄には、寄付した金額から自己負担金2,000円を差し引いた金額を記入します。たとえば、ふるさと納税で寄付をした金額が15,000円なら確定申告書の寄付欄には13,000円と記入します。
 一方、住民税控除は「申告書B」の第二表にある寄付金の欄に、自治体へ寄付した金額をそのまま記入します。つまり、ふるさと納税で15,000円寄付していた場合は、そのまま15,000円と記入すればOKです。
 最後に、ステップ3で受け取った寄付金受領証明書を申請書に添付して税務署に提出すればふるさと納税で寄付したお金の控除手続きは終了です。なお、インターネット経由で電子申請される場合は、寄付金受領証明書の添付を省略することができます。

→関連記事:
フリーランスエンジニアの青色申告入門ガイド。節税するなら確定申告時に青色申告を利用するのがおすすめ。

まとめ

 今回は、直接の節税ではありませんが支払う予定の所得税や住民税の一部をを別の自治体に寄付することで、お得な返礼品をもらうことのできるふるさと納税について解説してきました。返礼品といえば、食品が多いイメージがあるかもしれませんが、最近はパソコン周辺機器やオフィスチェアなどといったフリーランスエンジニアとして活動に直接役立つものも増えてきています。いままで何なく面倒くさいと思って避けていた方も、確定申告時に記入する項目を3箇所増やすだけで利用できます。これを機に、お気に入りの返礼品を見つけてふるさと納税を利用されてみてはいかがでしょうか?

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