皆様から好評をいただいているフリーランスエージェントに関する調査も今回で第7回目を迎えます。今回も高い知名度を誇るフリーランスエージェント「Geechs Job(ギークスジョブ)」について、案件数や単価の特徴はもちろん、利用する際に知っておきたいエージェントの強みや注意しておきたいポイント、SNSに投稿された口コミに至るまで様々な角度で調査を行ってきました。
もくじ
Geechs Job(ギークスジョブ)の運営会社は?

フリーランスエンジニア向けのエージェントサービス「Geechs Job(ギークスジョブ)」を運営しているのは、ギークス株式会社です。設立は2007年で、2019年3月2日に東証マザーズに上場後、翌年4月に東証一部に市場変更をしています。
おもにフリーランス向けのIT人材事業、ゲーム事業、動画事業、インターネットメディア事業を展開しており、同社が発表した2020年度3月期決算説明資料によると同期の売上は35億4,400万円、純利益は3億9,000万円となっています。
Geechs Job(ギークスジョブ)は15年の長期に渡って運営されていて、利用者数は12,000名以上、公開・非公開を合わせた保有案件数は約6,000件と歴史と実績を兼ね備えた老舗エージェントといえるでしょう。
Geechs Job(ギークスジョブ)の公開案件をチェック!

それでは早速Geechs Job(ギークスジョブ)のウェブサイトで公開されている案件について見ていくことにします。今回は、スキル別・単価別・リモート対応可などのこだわり条件別に調査を行いました。
スキル別の案件数
スキル | 案件数 | スキル | 案件数 |
iOS | 176 | VB.NET | 56 |
Android | 176 | VB/VBA | 26 |
Go | 88 | C/C++ | 23 |
Java | 182 | COBOL | 11 |
Python | 104 | HTML5/CSS3 | 162 |
Scala | 32 | JavaScript | 381 |
PHP | 378 | Photoshop/Illustrator | 107 |
Ruby | 234 | SQL | 70 |
Perl | 25 | DB(インフラ) | 47 |
Unity | 61 | NW(インフラ) | 31 |
Cocos2d-x | 13 | サーバ(インフラ) | 114 |
C#.NET | 76 |
Geechs Job(ギークスジョブ)で取扱案件の多いスキルは、上から「JavaScript」「PHP」「Ruby」となりました。過去に調査を行った他のフリーランスエンジニア向けエージェントの案件調査とほぼ同様の傾向が見られますが、他エージェントでは3位以内にランクインしていることが多い「Java」関連の案件数が第4位となっていました。とはいえ全体の取扱案件数自体が多いため、絶対数で見た時にJava関連の案件に応募しようと思っている方にとってデメリットになるようなことはないと思われます。
単価別の案件割合
単価 | 割合 |
~30万円 | 0.12% |
30~40万円 | 0.54% |
40~50万円 | 8.22% |
50~60万円 | 21.67% |
60~70万円 | 29.36% |
70~80万円 | 18.05% |
80~90万円 | 12.59% |
90~100万円 | 7.48% |
100~110万円 | 1.59% |
110~120万円 | 0.23% |
120~130万円 | 0.06% |
130~140万円 | 0.00% |
140~150万円 | 0.02% |
150万円~ | 0.06% |
最低単価 | 25万円 |
最高単価 | 150万円 |
平均単価 | 66.3万円 |
続いてGeechs Job(ギークスジョブ)で取り扱っている案件の単価割合をチェックしていきましょう。公開案件の平均単価は66.3万円で、単価の幅は25万円~150万円という結果になりました。最も案件数が多かった単価レンジは60万円~70万円ですが、80万円以上の高額報酬を期待できる案件の割当が22.0%、100万円以上の案件も2.0%保有しており、スキルに自信のある方なら「稼げる案件」を多数保有していることがわかります。
スキル x 単価の案件割合
スキル | 最低単価 | 最高単価 | 平均単価 |
iOS | 30万円 | 150万円 | 68.36万円 |
Android | 30万円 | 150万円 | 70.19万円 |
Go | 45万円 | 110万円 | 75.45万円 |
Java | 30万円 | 110万円 | 65.43万円 |
Python | 40万円 | 140万円 | 72.79万円 |
Scala | 40万円 | 118万円 | 73.41万円 |
PHP | 35万円 | 110万円 | 65.29万円 |
Ruby | 35万円 | 110万円 | 71.63万円 |
Perl | 40万円 | 100万円 | 64.60万円 |
Unity | 35万円 | 100万円 | 64.55万円 |
Cocos2d-x | 45万円 | 75万円 | 62.12万円 |
C#.NET | 35万円 | 90万円 | 57.89万円 |
VB.NET | 35万円 | 90万円 | 54.41万円 |
VB/VBA | 30万円 | 75万円 | 52.60万円 |
C/C++ | 45万円 | 100万円 | 67.28万円 |
COBOL | 35万円 | 65万円 | 49.27万円 |
HTML5/CSS3 | 35万円 | 100万円 | 60.76万円 |
JavaScript | 40万円 | 150万円 | 66.42万円 |
Photoshop/Illustrator | 25万円 | 93万円 | 55.12万円 |
SQL | 35万円 | 100万円 | 59.89万円 |
DB(インフラ) | 35万円 | 100万円 | 66.17万円 |
NW(インフラ) | 35万円 | 90万円 | 63.87万円 |
サーバ(インフラ) | 35万円 | 110万円 | 63.23万円 |
前項で見てきた単価別の案件割合をさらにブレイクダウンして、スキル別の単価割合について見ていきたいと思います。最も平均単価が高かったスキルは上から「Go」「Scala」「Python」となりました。いずれのスキルも平均単価で70万円を超えています。
この中でも特に注目したいのが「Python」です。100万円以上の単価が設定されている超高額案件割合が9.4%と他のスキルに比べて群を抜いて多いため、「Python」のスキルをお持ちの方にとってGeechs Job(ギークスジョブ)は魅力的なエージェントと言えるでしょう。
この他、取扱案件数が上位の「JavaScript」「PHP」「Ruby」も平均単価が他のスキルの平均を超えている点も見逃せません。特に「Ruby」は平均単価が70万円を超えており、こちらも高収入を目指すフリーランスエンジニアの方なら一度はチェックしておくべきだと思います。
リモート対応可能な案件数は?
今回の調査では、Geechs Job(ギークスジョブ)に掲載されている案件の中に、リモートで対応できるとの説明があるものをあまり見つけることはできませんでした。サイト上には「当サイトに掲載している案件はリモート等各種対策がされている案件です。」と記載があるのでリモート対応可能な案件も存在しているは思いますが、具体的な案件数などについては不明です。
Geechs Job(ギークスジョブ)のココがスゴい!

福利厚生が充実している
Geechs Job(ギークスジョブ)に本登録すると、福利厚生プログラム「フリノベ」を利用することができます。「フリノベ」では面倒な経理処理を効率化してくれる会計ソフトが割引料金で利用できたり、健康診断を優待価格で受けられるなど様々なサービスが提供されています。一部サービスの利用に際しては条件があるものもありますので、詳細は公式サイトをご確認ください。
フリノベで利用できるそのほかのサービス
- 確定申告セミナーへの優先参加
- Geechs提携住宅ローン
- 各種オンライン学習サービスの料金割引
- 国内・海外旅行パッケージツアーの優待割引
担当者による手厚いサポートが受けられる
「HOP!ナビ転職」の取材によると、Geechs Job(ギークスジョブ)では1人のフリーランスエージェントに対して「企業担当」「ユーザー担当」「案件受注後のフォロー担当」の3人が担当者として付き、手厚いサポートを請けることができるようです。また請求書の発行や送付といった面倒な事務処理も代行してくれるそうなので、エンジニアとしての本業に集中したい方にとって魅力的なサービスが提供されています。
首都圏以外の案件も取扱がある
一般的なフリーランス向けエージェントは、首都圏の案件のみを扱っていることも多いですが、Geechs Job(ギークスジョブ)は大阪・名古屋・福岡に支社があるため、これらの地域の案件も取扱があります。首都圏と同規模の案件数というわけにはいきませんが、これらの地域で案件を探しているフリーランスエンジニアの方は希望する条件の案件があるかチェックしてみることをおすすめします。
単価はすべて税抜表示
Geechs Job(ギークスジョブ)に掲載されている案件の単価はすべて消費税抜き表示となっています。たとえば単価が100万円と表示されている案件があったとして、これに消費税10%が含まれている場合、案件自体の本体価格は909,091円となります。一方、Geechs Job(ギークスジョブ)に掲載されている案件は、すべて消費税抜きのため表示されている単価がそのまま本体価格となり、消費税込みで表示されてる案件に比べて約9万円もの差が発生します。
また2023年10月1日より施行されるインボイス制度により、これまでクライアントから受け取った消費税の納税を免除されていたフリーランスエンジニアの方も将来的に消費税を納める義務が発生する可能性がありますので、この差は非常に大きいと言えるでしょう。なおフリーランスエンジニアの方向けのインボイス制度に関する詳細は下記の記事をご参照ください。
→関連記事:
フリーランスエンジニアなら必ず知っておきたいインボイス制度をわかりやすく解説。
Geechs Job(ギークスジョブ)を利用する際の注意点

未経験者でも参画できる案件数が少なめ
Geechs Job(ギークスジョブ)に限ったことはでありませんが、経験年数が浅めの方は案件を受注することが難しい傾向にあるようです。これは発注元の企業がフリーランスエンジニアに求めるものが「長期的な人材の育成を通じた企業への貢献」ではなく「即戦力」であるためです。また運良く案件を受注できたとしても、一般的にフリーランスエンジニアが手にすることができると言われている高額な報酬を得られることは難しいと思われます。まずは独立する前に、経験を積み、スキルを磨くことで即戦力として活躍できるエンジニアになることを目指しましょう。
週2日・週3日の案件が少ない
Geechs Job(ギークスジョブ)に掲載されている案件は、大部分が週5日のフルタイム案件です。そのため、将来起業するために自分のプロダクトを開発しながら、その間の収入を得るために週2日~3日はクライアント企業の仕事をする…といった働き方を希望される方は、同社で案件を見つけるのは難しいと言わざるを得ません。そのような方は、週2日・週3日などの案件に特化したフリーランスエージェントの利用を検討したほうが良いでしょう。
マージン率が非公開
Geechs Job(ギークスジョブ)では、マージン率が非公開となっています。そのため、お金に関することはすべてクリアにした上で働きたい、と考えているフリーランスエンジニアの方の希望を叶えることできないでしょう。「Geechs Job(ギークスジョブ)の公開案件をチェック!」でも触れましたが同社の案件は比較的高額なものが多いため、他のフリーランスエージェントと比べてマージン率が高く設定されていることはないと考えられます。
Geechs Job(ギークスジョブ)の口コミは?

良い口コミ
SNSでGeechs Job(ギークスジョブ)に関する口コミを探してみたところ「案件数が豊富」「地方でも案件が揃っている」「親切に対応してくれた」というものが見つかりました。「Geechs Job(ギークスジョブ)のココがすごい!」で取り上げた内容と同じ内容がSNS内で口コミして投稿されており、同社サービスの質が高いことがわかります。
良くない口コミ
Geechs Job(ギークスジョブ)に関する良くない口コミは、ほぼ見つけることができませんでした。唯一見つけることができたのは担当者の対応に関するもので、比較的古い口コミだったので、いまは改善されている可能性が高いのではないかと思われます。
Geechs Job(ギークスジョブ)の利用方法

ステップ1:会員登録
Geechs Job(ギークスジョブ)で案件を紹介してもらうために、公式サイトにアクセスして会員登録を行います。会員登録時にスキルシートの登録を求められますが、すぐに用意できない場合は、スキップして後から登録することも可能です。
ステップ2:個別相談会に参加する
登録後、担当者からメールもしくは電話で連絡が来ます。自分の都合が良い日程を担当者に伝えて個別相談会の日程を決めましょう。昨今はコロナ禍の影響もあり、オンラインでの対応をしてもらえますので先方のオフィスに出向く必要はありません。また個別相談会の開催時間も平日10:00~20:00と幅広く取られていますので、会社員として働いている方でも会社を休むことなく参加することができます。
個別相談会では、Geechs Job(ギークスジョブ)のサービス説明や案件の提案が受けられるほかに今後のキャリアプラン、スキルシートの書き方についてもアドバイスをもらうことができます。
→関連記事:
フリーランスエージェントの面談はどんな感じ? 準備するものや当日の流れを公開!
ステップ3:クライアント企業との顔合わせ
紹介された案件に参画を希望する場合は、クライアント企業との顔合わせに進みます。
顔合わせでは自分自身をクライアント企業の担当者ににアピールすることになりますが、Geechs Job(ギークスジョブ)の担当者が同席して、あなたというフリーランスエンジニアの魅力が十分に引き出せるようにサポートをしてくれます。顔合わせの結果、案件へ参画することが決定した後は、担当者が参画に向けて条件の交渉や各種契約手続きを代行してくれます。この際に、条件面で気になることがあれば担当者に伝えて満足できる案件に参画するようにしましょう。
ステップ4:現場に参画
参画初日は、Geechs Job(ギークスジョブ)の担当者と一緒に現場に向かいます。案件参画中も作業がスムーズに行えるよう、請求書の発行や各種書類手続きは担当者が代行してくれます。もし参画した現場の雰囲気が合わず、別の現場に移りたいなどの希望がある場合も担当者に相談することで新しい案件を提案してもらうことが可能です。
エージェント経由で良い案件を獲得するには複数のエージェントに登録するのがおすすめ

現役で活躍されているフリーランスエンジニアの方とお話をしていると、好条件の案件を獲得するために複数のエージェントに登録されていることが多いです。その理由としては、「そのエージェントだけが保有している独占案件がある」「同じ案件でも利用するエージェントによって単価が違う」「困った時に複数の視点からアドバイスをもらえる」といったものが挙げられます。このブログを編集しているJoBeetでも、独占の非公開案件をはじめとして、80万円を超える高単価案件を豊富にご用意していますので、ぜひご相談ください。
また当ブログでは、Geechs Job(ギークスジョブ)以外のフリーランスエージェントに関する記事も公開しています。フリーランスエージェントの選びの参考に是非ご活用ください。
- フリーランスエージェント”JoBeet(ジョビート)”の評判はどう? 気になる案件数や単価はもちろん口コミまで余すところなく公開!
- フリーランスエージェント”テクフリ”の評判は?案件数からスキル別の単価まで知りたい情報が満載!
- フリーランスエージェント”TechStock(テックストック)”の評判は? サイトに掲載されている案件掲載数や単価はもちろん、ネット上の口コミも調査!
- CrowdTech(クラウドテック)の評判はどうなの? 案件特徴や単価、ネット上のリアルな口コミまで徹底調査!
- Foster Freelance(フォスターフリーランス)の評判は? サイト掲載の案件数や単価から比較検討する際に知っておきたいポイントを様々な角度から分析。
- PE-BANKフリーランスの評判はどうなの? サイトに掲載されている案件数や単価を徹底調査。
- ポテパンフリーランスは稼げる?案件の件数から単価、リモート可案件の比率まで調べてみた。
- フリーランスエージェント”MidWorks(ミッドワークス)”の評判は?サイトに掲載されている案件掲載数や報酬額から、SNSの口コミを調査してみた
- ITプロパートナーズの評判ってどうなの?稼働日数別案件数や報酬額から口コミまで様々な角度で分析
- レバテックフリーランスの評判は? 取り扱い案件数や実際の利用者のリアルな口コミや体験談を公開。
まとめ
今回は国内最大手のフリーランスエージェントである「Geechs Job(ギークスジョブ)」について調査した結果をまとめてきました。豊富な案件と担当者による手厚いサポートに加えて、様々な福利厚生が利用できる点が同サービスに魅力であったと思います。一方で、経験年数の浅い方や週2日・週3日の案件を希望する方は利用しずらい傾向もわかりました。この記事が希望する条件の案件獲得の手助けになれば幸いです。
今後もJoBeetブログでは、国内で展開しているフリーランスエージェントの調査を続けてまいります。ぜひご期待ください。