フリーランスエンジニアが案件を探すに際に、利用することの多いフリーランス向けエージェント。最近は様々なエージェントが運営されているため、どこのエージェントを利用するのが良いのか迷われている方も多いのではないでしょうか? 実際の利用して見るのも手ではありますが、応募するたびに各種書類を提出したりオンライン面談に対応するのは少々面倒くさいものです。そこでJoBeet編集部では、フリーランスエンジニアの皆さん向けに各エージェントの特徴をまとめた記事を作成しております。今回は、数あるフリーランス向けエージェントの中でも、30年以上の運営実績を誇る老舗PE-BANKエージェントについて見ていくことにしたいと思います。
もくじ
PE-BANKフリーランスを運営している会社はどんな企業?

PE-BANKフリーランスを運営しているのは株式会社PE-BANK(以下、PE-BANK)という企業で「ITフリーランスが安心して働ける環境を提供し、活躍の場を創出」を企業理念に掲げるIT人材に特化した事業を展開しています。設立は1989年で、2021年10月現在で約32年の運営実績を持っており、業界内ではかなりの老舗企業といえるでしょう。
PE-BANK社は、首都圏コンピューター技術者共同組合という名称で設立され、当初は首都圏の大手IT企業向の案件をフリーランスエンジニア向けに仲介・斡旋する共同組合でした。その後、2000年に関西営業所、2003年に東北営業所を開設して全国に事業を拡大。2007年の株式会社化を経て、2015年に現在の会社名である株式会社PE-BANKに名称変更をしています。
PE-BANKフリーランスの特徴は?

PE-BANKフリーランス最大の特徴は、大きく2つあります。
マージンが全公開されている
PE-BANKフリーランスは、企業から受注した案件の報酬額に対してPE-BANK側が受け取るマージン率が完全公開されている点です。マージン率はPE-BANKフリーランスを通じて案件を受注して報酬を受け取った回数によって変動しますが、8%~12%と一般的なフリーランスエージェントと比べると低めとなっています。
全国に拠点があるので日本全国から参画が可能
東京・大阪などの大都市をはじめ全国12箇所に拠点があるため、全国各地の案件を取り扱っています。最近はリモートワークの普及により、首都圏や大阪の案件を地方在住者が受注するケースも増えてきていますが、まだまだその数は多いとはいえません。案件を受注したいと考えている地方在住のフリーランスエンジニアにとってPE-BANKフリーランスは頼りになるエージェントであるといえるでしょう。
PE-BANKの案件をチェック

それではPE-BANKで扱っている案件を見ていくことにしましょう。今回の記事に掲載されているデータはJoBeetブログ編集部が、2021年10月に行った独自調査の結果によるものです。案件掲載数は日々変動していることが予想されますので、あくまで参考として捉えていただきますようお願いいたします。
スキル別案件数
2021年10月現在、JoBeetブログ編集部で独自に調査したPE-BANKフリーランスのスキル別案件数はご覧の通りとなっています。
言語 | 案件数 | 言語 | 案件数 |
Java | 660 | C言語 | 94 |
C++ | 89 | VC++ | 30 |
VB/VBA | 32 | .NET | 350 |
Angular.js/Node.js | 36 | React | 38 |
SQL | 214 | JavaScript | 287 |
PHP | 230 | Perl | 11 |
Ruby | 55 | Python | 84 |
Shell(C/B/K) | 25 | iOS | 85 |
Android | 109 | Objective-C | 14 |
Swift | 23 | Kotlin | 26 |
HTML5 | 60 | データベース | 58 |
アセンブラ | 7 | COBOL | 20 |
インフラ(サーバ) | 149 | インフラ(ネットワーク) | 112 |
インフラ(その他) | 124 | PM | 65 |
PMO | 56 | コンサルティング | 23 |
ITアーキテクト | 33 | DX | 9 |
テスト/検証 | 32 | Webディレクター | 13 |
ERP | 17 | AWS | 143 |
Azure | 33 | GCP | 12 |
パブリッククラウド | 16 | ゲーム | 15 |
Unity | 17 | Scala | 3 |
Go | 14 | RPA | 9 |
Chef | 2 | Puppet | 2 |
Ansible | 7 | IoT | 21 |
AI・機械学習 | 16 | その他 | 175 |
もっとも多いのはJavaの案件で660件。ついで.NET、JavaScript、PHP、SQL関連の案件が多くなっています。他のフリーランスエージェントとの違いは、全案件に対するJava関連案件の割合が高い点で、全体の約1/3程度の案件がJava関連となっています。Javaのスキルを活かせる案件をお探しの方にとって、PE-BANKは魅力的なサービスになる可能性が高そうです。
単価別案件数
続いて、単価別の案件数を見ていくことにしましょう。
金額 | 案件数 | 差分 | 割合 |
40~49万円 | 1,837 | 328 | 17.86% |
50~59万円 | 1,509 | 1,050 | 57.16% |
60~69万円 | 459 | 228 | 12.41% |
70~79万円 | 231 | 132 | 7.19% |
80~89万円 | 99 | 66 | 3.59% |
90万円~ | 33 | 33 | 1.80% |
PE-BANKで扱っている案件単価の最頻値は50万円~59万円のレンジとなっており、他フリーランスエージェントに比べると若干低めです。
金額 | 案件数 | 差分 | 割合 |
40~49万円 | 443 | 88 | 19.86% |
50~59万円 | 355 | 106 | 23.93% |
60~69万円 | 249 | 82 | 18.51% |
70~79万円 | 167 | 96 | 21.67% |
80~89万円 | 71 | 47 | 10.61% |
90万円~ | 24 | 24 | 5.42% |
年収レンジが比較的高い傾向にある、東京都の案件に絞って再調査してみたところ高単価案件の比率がアップしましたが、それでも50万円~59万円のレンジがボリュームゾーンであることに変化はありませんでした。
スキル x 単価別案件数
40~49万円 | 50~59万円 | 60~69万円 | 70~79万円 | 80~89万円 | 90万円~ | |
Java | 113 | 415 | 77 | 32 | 12 | 6 |
.NET | 75 | 226 | 26 | 14 | 4 | 1 |
JavaScript | 46 | 172 | 30 | 22 | 11 | 4 |
PHP | 38 | 140 | 29 | 12 | 5 | 2 |
SQL | 45 | 127 | 16 | 16 | 2 | 4 |
PE-BANKで案件数の多い、Java、.NET、javaScript、PHP、SQLのスキル別で案件の単価をチェックします。いずれもスキルでみても、ボリュームゾーンはやはり50万円~59万円となっています。また1,000万円以上の年収を期待できる90万円以上の案件割合は全体の約1%程度とやや少なめです。
PE-BANKフリーランスはこんな人におすすめ

マージンの透明性を重視される方
PE-BANKフリーランスではマージン率が全て公開されているため、契約先の企業が支払う報酬に対してエージェントが受け取る手数料とフリーランスエンジニアが受け取る報酬の割合が公開されています。報酬の透明性を重視するフリーランスエンジニアにとってPE-BANKの案件は納得感が高いものになるでしょう。
地方で企業の常駐案件を探している方
PE-BANKフリーランスは全国の営業拠点を有しているため、一般的なフリーランスエージェントに比べて地方の常駐案件を多数保有しています。現在、地方在住で案件を探している方はもちろん、Uターンなどで地元への帰ってフリーランスエンジニアとしての活動を計画中の方にもうってつけのサービスだと言えます。
PE-BANKフリーランスがおすすめできないのはこんな人

リモート可の案件を探している方
PE-BANKフリーランスで取り扱っている案件は、大部分が企業での常駐案件となっています。そのため、リモートでの案件対応を前提に考えている方との相性はあまり良くないと言わざるを得ません。
報酬支払までの日数が短いエージェントサービスを探している方
PE-BANKフリーランスの報酬支払い時期(支払いサイト)は、締め日から40日以上と他社に比べて少し長めです。手持ちの現金に不安があるなど、少しでも早く報酬の振り込みが必要な方は、PE-BANKフリーランスだと長く感じてしまうかもしれません。
まとめ
今回はPE-BANKフリーランスについて見てきました。同社の強みは、30年以上の運営実績を持つ老舗エージェントならではのノウハウや取引先企業とのパイプと、大都市圏を中心に事業展開を行うフリーランスエージェントとは異なり全国に案件を保有している点が上げられると思います。一方で、リモートワーク対応の案件保有数が少なかったり、案件の単価が安い傾向にあるなど目デメリットがあることもわかりました。フリーランスエンジニアがエージェントを利用する際は、この記事がフリーランスエンジニアの方の案件探しにお役に立てば幸いです。
この他Jobeetブログでは、少しでも多くの報酬を得たいと考えているフリーランスエンジニアの方のために、利用するフリーランス向けエージェントを選ぶ際にぜひチェックしていただきたいポイントをまとめいます。ぜひ下記の記事の参考になさってください。